あらすじ
月島 詩帆(つきしま しほ)、19歳。彼女はSNSでフォロワー30万人を抱えるカリスマ・インフルエンサー『Shiho』。 「丁寧に生きる」「完璧な日常」を体現する彼女の投稿は、まるでアート。その世界観はあまりに眩しく、同世代の女性たちの「憧れ」の頂点に立つ。
しかし、その実像は――。
家賃滞納ギリギリのボロアパート。私服はヨレヨレのスウェット。三食カップ麺で、人付き合いは極度に苦手。 彼女の美しい日常は、週に一度レンタルする撮影スタジオと、過酷な節約生活によって支えられた、薄氷の上に立つ虚構だった。
そんなある日、詩帆は完璧な動画撮影中、誤って「裏側」を映し出しそうになり、パニックに陥る。 その危機を、偶然通りかかった高校時代の同級生・八重樫 湊(やえがし みなと)に目撃されてしまう。
湊は、SNSとは無縁の「ノイズ」を愛する女性。現実のリアリティを追求するドキュメンタリー映像作家の卵だ。 湊は、詩帆の虚構を見破りながらも、ある事情で「映像編集のスキル」を欲していた詩帆に、驚くべき提案をする。
「あんたの『完璧な日常』、私に裏側から撮らせなさい。その代わり、プロの編集を教えてあげる」
こうして、虚飾のカリスマと、現実至上主義の編集者が、秘密を共有し、ルームシェア(または同居状態)に近い形で**「二人一組の嘘」**を作り始める。 完璧な自分を演じ続ける詩帆と、その虚構を冷めた瞳で記録する湊。 二人の間に生まれるのは、共犯関係か、それとも――。
これは、現代の「生きづらさ」と「承認欲求」をフィルムに焼き付ける、青春ギャップ・ラブコメディ。