あらすじ
高校生・九条蓮は、完璧な優等生を演じる裏で、SNSの「死に垢」に毒を吐き出す冷徹なリアリスト。そんな蓮の日常は、ある日突然、自分と瓜二つの少女が自分の居場所に座っているのを目撃したことで崩壊する。誰も偽物に気づかず、彼女は蓮よりも愛想が良く、成績も優秀な「理想の九条蓮」として急速に蓮の人生を侵食していく。世界から存在を抹消されかけた蓮を救ったのは、都市伝説を喰らう謎の青年「バグ」。彼は、偽物がSNSの悪意と承認欲求を苗床に生まれた怪異「ミラー・グラム」であり、オリジナルを葬り去り、その人生を奪う存在だと告げる。蓮はバグと手を組み、自分よりも完璧な「もう一人の自分」を殺すことを決意する。ミラー・グラムの弱点は、SNS上の思考パターンしか模倣できないこと。蓮は自らの最大の武器である「性格の悪さ」と「狡猾さ」を駆使し、あえて裏垢で偽情報を流すなど、清廉潔白な偽物には対応できない汚い手段で追いつめていく。この、完璧な偽物VS手段を選ばない本物という皮肉な戦いの果てに、蓮は怪異を生み出した自らの「業」と対峙する――現代の承認欲求が生んだ、生存を賭けたダーク・ホラー&ミステリー。