あらすじ

最愛の妹・ミナトを不慮の事故で失ったあの日、高校生の主人公・カズトは禁忌の契約を交わした。それは、命を吹き込んだ「身代わり人形」を作り出す能力。だがその代償はあまりにも残酷で、人形を一体縫い上げるたびに、彼の指が一本ずつ、泡のように消滅するという呪いだった。

カズトの部屋には、生前と変わらぬ笑顔を浮かべるミナトがいる。しかし彼女は、定期的に綻び、朽ちていく仮初めの存在だ。その姿を維持するため、カズトは激痛と喪失に耐えながら、今日も針を進める。左手の小指、薬指、中指……。失われた指の数だけ、彼は妹との偽りの時間を買い戻してきた。

「お兄ちゃん、手が痛いの?」無邪気に問いかける人形の妹。その言葉に救われながらも、カズトは精神的に追い詰められていく。残された指はあと僅か。全ての指を失えば、二度と彼女を縫い直すことはできない。それは、本当の意味での妹の死を意味していた。

やがて街では奇妙な怪異が頻発し、カズトの能力に目をつけた謎の影が忍び寄る。自身の破滅と引き換えに、それでも彼は針を持つことをやめない。守るべきは倫理か、それとも狂気じみた愛か。

指が消えるたびに人間性さえも削り取られていく少年が辿り着く、残酷で美しい結末とは。命を削り、魂を縫い合わせる、切なくもおぞましいダークファンタジー。

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アルファポリス
アルファポリス2025/11/21
  • 現在の作品身代わり人形を作るたびに指が一本ずつ消える呪いの能力で、僕は今日も死んだはずの妹の『代用品』を縫い続ける