あらすじ
深夜の廃校。不協和音のようなチャイムが鳴り響くたび、僕はまたあの薄暗い教室で目を覚ます。そこは、終わりのない悪夢のスタート地点だ。平凡な高校生だった僕が巻き込まれたのは、正体不明の怪異『顔のない生徒』との理不尽な鬼ごっこ。ルールは単純、捕まれば惨殺される。だが、このゲームにはもっと恐ろしい罰が存在した。
それは、殺されるたびに時間が巻き戻る「死に戻り」と引き換えに、僕の身体が物理的に腐り落ちていくこと。一度目の死では指先が壊死して黒ずみ、二度目には皮膚がドロドロに溶け落ちる。死を繰り返すたびに肉は崩れ、耐え難い腐臭と激痛が思考を蝕んでいく。
動かなくなる手足を引きずり、僕は校舎内を逃げ惑う。廊下の曲がり角、理科室の実験台の下、体育館の天井裏。どこへ隠れても、あののっぺらぼうの怪物は足音もなく忍び寄り、冷たい手で僕の喉元に触れてくるのだ。
身体が完全に朽ち果て、意識ある肉塊と化すのが先か。それとも、この呪われたループを打ち砕く「出口」を見つけ出すのが先か。腐敗の進行とともに迫るタイムリミット。死すら許されない絶望の中で、僕はまた走り出す。深夜のチャイムが鳴り止まない、この地獄のような校舎で。