あらすじ

大学生の透は、心霊スポットからの帰り道、深い霧に包まれた山道で道に迷い、地図にない集落「追分村」へと迷い込む。村の入り口には、「決して後ろを振り向いてはならない」と朱書きされた異様な立て札が立っていた。

村に足を踏み入れた瞬間、透の背中にずしりとした冷たい重みがのしかかる。それはまるで、誰かに背負われているかのような生々しい感覚だった。直後、耳元で囁き声が聞こえ始める。「透、おかえり」「ご飯できてるわよ」。それは、三年前に病で亡くなったはずの、最愛の母の声だった。

友人の姿はいつの間にか消えていた。村人たちは顔を隠し、透の前方だけに立って「前だけを見ろ、出口は向こうだ」と繰り返す。背中の「何か」は、透の記憶にある母の優しさで絶えず語りかけてくる。幼い頃の思い出、好きだった歌、そして死に際の感謝の言葉。その声はあまりにも温かく、透の理性を削り取っていく。

「ねえ、顔を見せて」「どうして私を置いていくの?」。声は次第に哀願へ、そして怨嗟へと変わっていく。振り向けば母に会えるかもしれないという誘惑と、掟を破れば破滅するという直感。極限の葛藤の中で、透は出口を目指し歩き続ける。

愛慕と恐怖が交錯するノンストップ・ホラー。果たして透は、背中にへばりつく「母」の声を振り切り、この呪われた村から生還することができるのか。

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アルファポリス
アルファポリス2025/11/20
  • 現在の作品『絶対に後ろを振り向いてはいけない』というルールの村に迷い込んだが、背中にへばりついた何かが、ずっと母の声で囁き続けている。