あらすじ
百年の歴史で初めて乙女塚歌劇団在団中に国家1種試験をクリアした華組トップの源馬剣翔はサヨナラ公演終了後、特別待遇で警視庁へ入庁した。第二の人生は殺人事件に関わった人々の救われぬ心の闇に光をあてたいと源馬は警察官を志した。眉目秀麗、頭脳明晰、勇猛果敢だが長年歌劇団生活を送ってきただけに警察組織では浮きまくりズレまくる。研修初日から暴力団若頭殺人事件に首を突っ込み、組織犯罪係長の捜査方針を真っ向否定し目の敵にされる。そんな源馬を捜査一課長は警察キャリア組の権力失墜に利用しようと画策する。しかし源馬には心強い仲間がいた。総監の娘薫子は熱烈なファンで何かと便宜を図り、私生活をサポートする元ファンクラブ会長赤城は財閥令嬢ながら真の庇護者になろうとテコンドーとイスラエル軍護身術を習得した舞踏は、専任ドライバーの副会長加賀は、酒好きで遅刻しがちな源馬を送り迎えするために夜な夜な首都高で腕を鍛えたストリートレーサーだった。仲間の応援を受けて源馬は独自に殺人事件の再捜査に入る。現場検証に巻き込まれた安藤刑事は、ブラック企業営業から安定を求めて公務員の警察官になったごく普通の男。その平凡さが逆に気に入られ、『虎穴にいらずんば虎児を得ず』と暴走しまくる源馬の無理難題につきあわされる。対立する暴力団組長宅へアポ無し訪問、容疑者を探して他県の非合法バーを襲撃するなど、警察捜査の基本を外れながらも事件の核心に近づく。そして事件の全貌を明らかにする再現舞台を開催する。殺人発生現場に警察関係者を集めて、源馬が脚本演出する歌劇仕立てのショーが行われる。初めて見るショーに戸惑う現場刑事達をしり目に、源馬は次々と捜査に浮かんでこなかった新事実を半ば強引に明らかにしていく。やがて事件の背後にあったラテンの女を巡るヤクザ者と幼馴染の悲恋を明らかにする。圧倒的な舞台演出の興奮の中、容疑者は思わず自ら再現演技で犯行を自供する。容疑者逮捕の翌日、ワイドショー、スポーツ新聞は「史上初の開かれた捜査劇」をトップ記事で扱う。悔しがる刑事達とは対照的に警視総監室は源馬の大手柄に盛り上がる。その裏では「相性が良さそう」との理由から深沢署安藤刑事が源馬のお目付け役兼部下とする人事異動が発令されていた。