あらすじ
数百年前。
小さな山村で、ひとりの少女・春が“村の神”クロを拾ったことから、家族の物語は始まった。
愛し合い、やがて双子――冬とハヅ――を授かった彼らは、互いを守り合う穏やかな日々を送っていた。
だが、村人による理不尽な襲撃が春の命を奪い、残された家族は狂う。
クロとハヅは人間を滅ぼすための殺戮へ身を投じ、冬もまた復讐に染まりながら、やがて「無関係な人々まで手にかけること」への疑問を抱き始める。
数百年後。
罪と喪失を抱えたまま逃げた冬は、対カゲ組織「燎」に拾われ、第2隊員として戦う道を選ぶ。
そこには、己の過去と向き合う気配をまとう隊長たち、家を奪われた者、兄を探す者、憎しみに囚われた者……さまざまな痛みを抱く仲間たちがいた。
だが、冬の前に立ちはだかるのは、
母を奪われた怒りを世界へ向け続ける父・クロ。
家族の愛を歪め、姉を裏切り者と憎む双子の妹・ハヅ。
そしてハヅが作り出した“人ならざるモノ”――。
憎しみが憎しみを呼び、家族が敵となり、仲間が倒れていく。
失われるものばかりの闘いの果てに、冬はついに「家族を殺す」決意を固める。
――この手で終わらせる。
母が愛した世界を守るために。
家族の呪いを、もう誰にも継がせないために。