あらすじ
落ちこぼれカグヤ様は名家の御曹司に愛されて奇跡を起こす。
ルナティリス皇国の普通の家の普通の庶民として生まれたアオイは、10歳のときに受けた魔力検査で大陸唯一の「カグヤ」であることが判明してしまう。
月の力を宿すカグヤは癒やしの力を持ち、この大地すべてを慈しみ潤し繁栄させることができるという。
その日からアオイは両親から引き離され、皇国中央にある祭祀礼館で「月の巫女」として生活することになった。
けれど、どんなに禊をしても、祈りを捧げても、アオイのカグヤとしての月の力は覚醒しない。身の内をグルグル回って落ち着いてしまうのだ。
そんなアオイを、他の巫女や祭祀官は「落ちこぼれカグヤ」として見下し冷遇するようになる。
そして6年が経ち16歳になったアオイは、その日の夜もツライ仕打ちに耐えきれず、月の森の奥にある月の杜でひとり、涙を流していた。
そこに現れたのは、黒髪に濃碧玉の瞳を持った背の高い美しい青年で――。
イツキと名乗った彼は、泣いているアオイに手を差し伸べる。優しく涙を拭い、落ち着かせるように抱きしめてくれた。
別れたあともその時の温もりを覚えていたいアオイだったが、周囲の態度はやはり冷たく、温もりは去っていく。
一生を祭祀礼館で買い殺されるのかと絶望していたアオイのもとに、あの日の青年が通い始め――そして運命の輪が廻る。
「アオイ。俺はあなたを守りたい。泣かせたくない。心から愛し、慈しみたい。だから、俺に攫われて、俺のものになろう」
「そ、そ、それは、決定事項なのですか!?」
「ああ、そうだよ」
カグヤの涙に一目惚れした名家御曹司の溺愛が始まる。
暴力表現があるので、R15にしました。