あらすじ
感情が可視化される近未来、母の死をきっかけに他人の感情が「粘着質の不快な塗料」に見える知覚過敏を発症した高校生・高槻舞は、逃げ込んだ地方都市・美浜町で、早瀬凪という少女と出会う。世界中が極彩色のノイズに塗れる中、凪の周囲半径2メートルだけは、冬の朝のように澄み切った「無菌室(静寂)」だった。舞は呼吸をするために凪のそばにいることを望み、凪もそれを受け入れ、二人は密室でただ静寂を共有する共犯関係を結ぶ。しかし、その安息は長くは続かない。凪からは感情の色が一切出ておらず、彼女は「感情を持たない欠陥品」として、町のシステム管理者である生徒会長・神代蓮に排除されそうになる。