あらすじ
俺たちは、学園非公認・告白調停機関。
仕事はひとつ。こじれた恋を、清算じゃなく「マシな終わり方」に着地させることだ。
「好きです」「ごめんなさい」――その一言のあとで、人は簡単に暴走する。
ストーカー化、クラス崩壊、SNS炎上。
取り返しのつかない一線を越える前にブレーキをかける、それが俺たちの役割。
自称・恋愛マスターの白国雪(しらくにゆき)に「仕事用の彼氏役」に任命された俺・天城瞬(あまぎかける)は、恋愛感情がさっぱりわからない、観察専門の調停員だ。感情の中身は理解できないのに、その構造だけはパズルみたいによく見えてしまう。
今回の依頼人は、隣のクラスの三浦。
告白されて付き合い始めたものの、彼氏から届くLINEは一晩で二十三件。
バイト先にまで現れる「好き」は、やがて「怖い」に変わっていく。
「別れたい。でも、あの人を壊したくない」
彼氏を一方的な悪者にせず、最悪な終わり方だけは避けたい――
そんな無茶な条件を抱えたまま、放課後の公園での“最後の話し合い”が始まる。