あらすじ
──光の聖女は、影に抱かれて運命と出会う。
銀の髪を持つ聖女アンジュ。
治癒術において無比の才を持ちながら、
教会に囚われ、民を救う“象徴”として生きてきた少女。
影をまとう皇帝ヴィンセント。
その瞳の奥には、かつて失ったものへの強い渇望が潜んでいる。
二人が出会ったのは、
戦火と陰謀に揺れるゲッティンゲン皇国と
巨大宗教国家イレーネ聖統国がにらみ合う時代。
二人の間に流れる“なにか”は、
初対面のはずなのに説明できない。
懐かしさのような、痛みのような、
触れてはいけないものに触れたときのような――。
影が脈打ち、光が震える。
各国が息を潜める大陸の裏で、
封じられた古の祠が、静かに軋みを上げる。
大国が睨み合う世界で、
光と影は再び出会った。
これは──
“決して語られなかった歴史”と“揺るぎない恋”が交差する物語。