あらすじ
付き合って五年。
28歳になった美咲は、将来を見据えて恋人の翔太に「結婚」を切り出す。
しかし翔太の返事は曖昧で、
「いつか」「今が楽しい」「恋人でいたい」という言葉ばかり。
仲は良く、喧嘩も少なく、居心地もいい。
それでも、美咲が求めているのは “次のステップ” ― 家族という形。
けれど翔太にとって「結婚」は、
関係の温度を冷ます“重さ”を帯びたもののように見えた。
友人は結婚し、同期は妊娠し、周囲は当然のように問いかける。
「結婚は?」「そろそろじゃないの?」
そのたびに胸が締めつけられ、
翔太の曖昧さがより浮かび上がる。
愛している。
一緒にいたい。
でも――
このまま“恋人”のままで、時間だけが過ぎていくのだろうか。
五年目にして初めて、美咲は気づく。
二人の“未来への温度”が、静かにズレ始めていることに。