あらすじ

泣きたかった。 今すぐにこの場所から逃げ出して、自室のベッドに潜り込み、分厚い布団で頭まで包まって、誰とも会わずに三日間くらい過ごしたい。 魔王城、最上階「謁見の間」。 薄暗く、黒と赤を基調としたインテリアは、あまりにも圧迫感が強すぎた。 私は、魔王ヴォルクスとして、その禍々しい玉座にちょこんと座っていた。 (……空気が、重い) 私は膝の上で、微かに震える指先をマントの下に隠した。 目の前には、数百の魔物たち。 彼らの視線が痛い。物理的に刺さっている気がする。 彼らは私に「絶対的な悪」を期待している。その期待という名のプレッシャーが、INFPである私の繊細な胃壁を容赦なく削り取っていく。 怖い。みんな顔が怖いよ。 あそこのゴブリン、牙がギザギザだし。リザードマンの鱗、触ったら絶対痛いし。 なんで私は魔王なんてやっているんだろう。私の適職診断の結果は「図書館司書」か「詩人」だったはずなのに。 「魔王ヴォルクス様ァァッ!!」

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小説を読もう2025/12/11
  • 現在の作品『INFPの魔王が始める世界攻略』