あらすじ
世界は今、邪悪な魔素に染められている。
その原因は、250年前に起きた“勇者一行の帰還”だった。
魔王を倒して帰還したはずの魔法使いカナリアは、突如として異形の魔物へと変貌し、王都ヴォルドニアを一夜で崩壊させた。
勇者さえ抗えず斬り伏せられ、その絶叫と共に解き放たれた魔力が──大陸全土を暗黒に染めた。
流れ出した邪悪な魔素は世界各地へと広がり、大陸を汚染し、人々を苦しめ、魔物を変異させ、世界を深い混乱へ落とし込むことになる。
そして30年後、“魔素を宿して生まれる赤子”が各地で確認され始めた。
呪いの子、魔女の子、異端の子。
その多くは恐れられ、捨てられ、利用される。
ある者は国を守り、ある者は国を滅ぼし、ある者は復讐の炎で世界を燃やした。
魔女——それは世界最大級の脅威であり、同時に希望でもあった。
しかし150年が過ぎた今、
世界の大陸はほぼすべてが魔女の呪いに覆われている。
炎の大陸。
結晶に閉ざされた大陸。
植物に絡め取られた大陸。
闇に呑まれた大陸。
生き残った人類は散り散りになりながらも、なんとか文明を維持していた。
そんな地獄のような世界の中で、ただ一つだけ魔素にも呪いにも侵されない大陸が存在する。
中央大陸アルベリア。
人々は信じていた。
——ここは“勇者の加護”に守られた土地なのだと。
そのアルベリアの王都にある冒険者ギルドへ、ひとりの青年が訪れる。
名はレイ。
彼は“ある呪い”を解くためにここへ来た。