あらすじ
1889年、3月。ケルントナー通りの老舗の宝石店が白昼堂々強盗に遭った。事件発生から一週間経つのに手がかりも宝石も見つからず、ウィーン警察は大騒ぎ。
そんなある日、1人の浮浪者が遺体で見つかった。その浮浪者ヘルベルトはホラ吹きで有名でまともに取り扱う価値は無いと思われたが、死ぬ前日に「流星群を見た」と仲間に漏らしたことが分かる。曇天と降雪が続いた3月の夜に流星群など見える筈が無いのだが……
*カルフンケル(紅玉髄)……一般的にはガーネット、ルビーといった赤い宝石のことだが、此処では紛失し、かつて神聖ローマ帝国の帝冠の真ん中にはめ込まれ「宝石の王」と呼ばれた伝説上の宝石のこと。鷲か竜の頭の中で育ち、魔術にも用いられたと言われ、見つかった暁には再び世界が統一されるという伝説を持つ。
*ミュンヒハウゼン男爵……ルドルフ・エーリヒ・ラスペ著「ほら吹き男爵」の主人公。モデルは実在のプロイセン貴族のミュンヒハウゼン男爵カール・フリードリヒ・ヒエロニュムス(1720〜1797)。物語は晩年に男爵が周囲に語ったものをラスペが無断で借用したもので、男爵はこれを知ると憤怒のあまり死んだと言われている。