あらすじ
どうして君の涙はこんなにも温かいんだろう。凄惨な現実を前に凍てつく感情。それを穏やかに溶かすその雫に、僕の心は奪われた。―― 2015年6月。その悲劇は始まった。
国土交通省『霊屍対策庁』関東局埼玉支部の新人隊員(18)である朝比奈響香は、その光景に絶句した。
地獄絵図。そこに立ち尽くす8歳の少年。
これが二人の運命の出会いだった。
少年、薄氷そらは後に人の理を超えた異能【霊喰い】を手にし特殊部隊センチュリーに入隊。
しかしその力は最強である一方で諸刃の剣であり、その身を、そして国さえも滅ぼし兼ねないものだった。
朝比奈響香は隊長兼『異能者の監督官』として、銃を持ち共に戦場に立ちながら薄氷そらを誰よりも気にかける。
戦う理由。
生きる意味。
守るとは何か。
錯綜する国家の正義と、個人の信念。
世界への憎しみ、自分の無力さへの後悔。
その選択の果てに、二人が辿り着いた答えとは――。
これは、悲劇に見舞われ力に飲み込まれ、だんだんと化け物に成り果てゆく少年が、《人の温もり》を知る物語。
(全41話)
※この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。