あらすじ
私はアリス。この長閑な田園地帯にある村の、小さな冒険者ギルドの看板娘です。
年は8歳。けれど、大好きだったお母さまがお星様になってから、もう3年もここで受付嬢をしています。
だからでしょうか。村の大人たちよりも、私のほうがよっぽど「世の中の酸いも甘いも」知っている……なんて言ったら、お父さんにまた嫌いなニンジンを無理やり食べさせられちゃいますね。
走り梅雨に濡れた木々が、緑を深くする頃でした。
シトシトと降り続く雨のせいで、今日のギルドは閑古鳥が鳴いています。帳簿の整理も終わってしまい、私が受付カウンターで頬杖をついていると――。
バンッ!
湿った風と共に、ギルドの扉が慌ただしく開かれました。