あらすじ
いつも読んでくださっている皆さま、そして初めてお越しくださった方も、ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。
今回で投稿2000作品目ということで、短いお話を中心に、ジャンルも長さもさまざまな100話をまとめて放流でございます。
短いとはいえ、量が量ですので、どうか最後まで読まねばと気負わず、ご無理のない範囲でお楽しみいただければ幸いです……。
1.【店内放送】
子供があまりにもせがむので、仕方なくデパートへ来た。
しかし――まさかはぐれるとは……。ああ、まずい。心臓がバクバクいっている。こんなときはどうしたらいいんだ……。とにかくもう一度、トイレのあたりを探して――
『ご来店中のお客様にお知らせをいたします』
お……おお、そうだよ。これがあったか! 館内放送! おれも――いや、もしかして、あの子が呼んでいるのか?
『白いお車でお越しの男性』
ん? 迷子の子供じゃなく、保護者の特徴を言うのか。まあ、同じことか。
『黒いTシャツ。グレーのズボン』
お、おお、おれだ! やっぱりおれを探しているんだ! よかった……それで、どこに行けばいいのかな。一階かな?
『臭くて』
ん?
『脂ぎった髪』
え?
『太っていて手汗がすごい』
『腫れぼったい瞼』
『鼻息荒い』
『いやらしい目つき』
『とても臭い』
『喋り方が気持ち悪い』
『声が変に高い』
『貧乏ゆすりがすごい』
『以上の特徴の男性をお見かけになったお客様は、お近くの警備員までお知らせください。誘拐犯です――あ、無事に捕まったようです。ご協力ありがとうございました。引き続き、お買い物をお楽しみくださいませ』