あらすじ


Scene 1: ユニバースシティ・マジェスティック
東洋のビバリーヒルズと称される、人工島に築かれた世界有数の経済都市、ユニバースシティ。海岸沿いに大手企業が拠点を据えるこのきらびやかな街の片隅で、夜は更けていく。
高級歓楽街に佇むオーセンティックバー「マジェスティック」。磨き上げられたカウンターには、完璧に洗練された身なりの男が一人、静かに腰を下ろしていた。
「ウィーン、ガシャン」
ジャケットの肘関節付近から微かな駆動音が鳴り響く。彼は周囲の喧騒に目もくれず、氷の入ったグラスを傾けた。轟ミナミ、この街では知らぬ者のない財閥の御曹司である。彼の愛称は「王子」。
彼は他のコミュニティ(ゴルフ、乗馬、社交界)でも知られた存在だが、このバーでは常に孤高を貫く。稀に美しい恋人を同伴することもあるが、今夜は一人だ。周囲に無関心で排他的な態度を崩さない。
「こんばんは!いつも一人ですね、良かったら、一緒に飲みませんか?」
隣の席の男性客が、社交辞令半分、興味半分で声をかけた。
ミナミは愛想笑いでやり過ごそうとするが、相手は引かない。
「申し訳ありませんが、一人で飲みたいので、どうかお察しいただけますと、幸いです」
丁寧だが、明確な拒絶の言葉。男性客はすごすごと元の席に戻った。ミナミは再びグラスに手を伸ばす。「ウィーン、ガシャン」。まるでロボットがカクテルを嗜んでいるようだ。
彼は金払いが良い。注文するのは決まって高価な酒だ。
「マスター、マティーニをお願いします」
差し出されたカクテルを受け取ると、ミナミは瞳に装着された「サイバーコンタクトレンズ(スキャンサー)」を起動させた。
「ピピピ」と電子音が鳴り、カクテルの成分や銘柄を計測する。彼の動作は一挙手一投足が計算されているかのようだ。
Scene 2: 拒絶と独白
バーの奥の席から、一人の女性客がミナミに見とれていた。彼女はマスターに紹介を催促する。
「ねぇ〜マスター、あの素敵な方を紹介してくださらない?」
困惑しながらも、常連客の頼みを無下にもできず、マスターはミナミに声をかける。
「王子、奥の女性がご挨拶したいと……」
ミナミはマスターの言葉を遮った。
「無理に他客と繋げなくていいんで」
一蹴された女性客とマスターは、あっけにとられ、唖然としていた。
ミナミは、孤高の自分を演出し、自らに酔いしれ、愉悦に浸る。彼にとって、他者やこの場所は、自分の「劇場」の舞台装置でしかないのだ。
グラスに残ったマティーニを一気に煽り、心の中で呟く。
――人生と世界は私の劇場、私は主人公、他者は出演者かエキストラ。私はこの人生と言う名の劇場で最高の主人公を演じるだけさ! 私は厨二病(ちゅうにびょう)なのだよ、諸君。

読者からの反応(某掲示板・SNS風)
1 名前:名無しエキストラ
私は厨ニ病なのだよ諸君、自分で言うなw

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