あらすじ
遥か古の時代、人々は神と契約を交わし、その代償として「魔法」という加護を授かった。
魔法は世界に平和と繁栄をもたらし、人々はその恩恵が永遠に続くと信じて疑わなかった。
だが、やがて人類はその幸福に溺れ、神との契約を破ってしまう。
神の怒りは深く、罰として「龍」と呼ばれる災厄を地上に解き放った。
それ以来、九年ごとに現れる龍は、世界を破壊と混乱の渦へと叩き込んでいった。
そして迎えた龍歴648年――
本来ならば72体目の龍が現れるはずの年、龍は姿を見せなかった。
既存の龍たちも沈黙し、世界は静寂に包まれる。
さらに9年後、龍歴657年にも龍は現れず、人々はこれを「神の赦し」と信じ、歓喜に沸いた。
だが、それは本当に赦しだったのか。
それとも、嵐の前の静けさにすぎなかったのか――。
(賢者マクシミリアン著 贖罪 第1章より)