あらすじ
戦闘にも魔法にも役立たない【土壌改良】スキルを授かった伯爵家三男のフィンは、実家から追放され、痩せ果てた辺境の地へと送られる。しかし、彼は全くめげていなかった。「美味しい野菜が育てばそれでいいや」と、のんびり畑を耕し始める。
そんな彼の作る野菜は、文献にしか存在しない幻の品種だったり、食べた者の体調を回復させたりと、とんでもない奇跡の作物だった。
ある嵐の夜、フィンは一人の男と出会う。彼の名はアッシュ。魔王を倒した伝説の英雄だが、聖剣の呪いに蝕まれ、死を待つ身だった。
フィンの作る野菜スープを口にし、初めて呪いの痛みから解放されたアッシュは、フィンに宣言する。「君の作る野菜が毎日食べたい。……夫もできる」と。
ハズレスキルだと思っていた力は、実は世界を浄化する『創生の力』だった!?
無自覚な追放貴族と、彼に胃袋と心を掴まれた最強の元英雄。二人の甘くて美味しい辺境開拓スローライフが、今、始まる。
【登場人物紹介】
◆フィン
本作の主人公。伯爵家の三男。授かったスキル【土壌改良】が役立たずとされ、辺境に追放される。おっとりとしたマイペースな性格だが、芯は強い。自分のスキルの本当の力に気づいていない。美味しいものを食べることが好き。
◆アッシュ
魔王を討伐した伝説の英雄。聖剣を使った代償として、常に体を蝕む呪いに苦しめられている。無愛想でぶっきらぼうだが、根は優しく一途。フィンの作る野菜で呪いが和らぐことを知り、彼に執着し始める。
◆ゲオルグ
フィンの次兄。フィンを見下しており、彼の力を奪おうと辺境にやってくる。傲慢で嫉妬深い性格。
◆フィンの長兄
伯爵家当主。フィンの力の噂を聞きつけ、国家を利用してその力を独占しようと企む冷酷な男。