あらすじ
三十代後半、会社ではそこそこ働き、出世には興味がなく、波風の立たない人生設計を志している。
要は、なるべく面倒を避けて静かに暮らしたいタイプだ。
――なのに、ある日、家にスライムがいた。
青くてぷるぷる。玄関で座り込み、動かない。
こっちは帰宅直後、心が折れかけていたのに、
なぜか玄関には同居者が増えていた。無断入居だ。家賃の請求先がない。
危険か? 触って大丈夫か?
というか、現実でスライムに遭遇することってあるのか?
……いや、考えたくない。でも気になる。
近づきたくない。でも観察はしたい。
脳内の天秤は、だいたいそんなバランスだ。
仕事は相変わらずやる気が低空飛行のまま、帰宅すると玄関の青いのが日常に混ざってきている。
俺は少し距離を取りたいのに、
なぜか今日も同居生活が続いている。
念のため石橋は叩きつつ――
できることなら、そっと迂回して歩きたい。
そんな俺とスライムの、なんとも言えない日常の話だ。