あらすじ
幼い頃に家族を亡くし、夜の街に囚われて生きていた14歳の少年。
少年の世界に突如として現れたのは、芸術品かと見紛うほど整った美貌の男――その正体は、国内外で名を轟かせる白鷺財閥の御曹司、白鷺咲楽だった。
そんな人物が、なぜ見ず知らずの自分を訪ねてきたのか。
尋ねる少年に、咲楽は言った。
「貴方をお迎えに上がりました」と。
差し伸べられた手に導かれ、少年は一歩、外の世界へ踏み出す。
咲楽が少年に願ったことは、三つ。
「自分自身を大切にすること」「知識をつけること」
最後のひとつは、「生きること」
少年は身を売ることを止め、勉強を始めた。
最後の願いは既に叶っている。少年の心臓は動き続けているのだから。
――数年の月日が経ち、少年は高校生になった。
保護者と保護された子ども。
そして今度は、教師と生徒。
共に過ごす日々の中で、少年はひとつの疑問を抱く。
「なんで、初めて会ったあの日、僕の名前を呼んだの」
忘れ去った過去。覚えている声。失くしたのは記憶か、それとも――……
想いが重なったとき、ふたりの人生が交わる。
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