あらすじ
初夏のある日、教室に突如現れた落書き。
《初夏ジンクス:今年も“ペア”ができる》
ただの悪ふざけのはずが、
書き足される文はどれも“誰かがクラスを観察している”ようだった。
《本物のペアはこの中にいない》
《去年のジンクスは当人も知らずに終わった》
筆跡は一貫しているようで、わずかに違う。
複数人が書いているのか、
それとも“同じ人のように見せかけている”のか。
やがて愛斗と澪の周りに、
撮られた覚えのない写真、
破られたノート、
誰も見ていないはずの場所から届くメッセージが重なる。
噂は誰かが仕掛けている。
しかし、その“誰か”は姿を見せず、
ただ静かに二人を追い続けている。
初夏の風に紛れているのは恋の匂いか、
それとも“観測者”の息なのか。
真実に近づくほど、
噂は本物の謎へと変わっていく。
――誰が、何のために。
初夏ジンクスはまだ終わらない。