あらすじ
ユラシアン大陸の東方に位置する国――レイシング王国。
この王国で開催される『ミスマ・レイシング』は、今や世界でも指折りのイベントであった。
そのルール自体は単純で、決められたスタート地点から登録された魔物が横一線で出走し、先にゴールに辿り着いたものが勝つ。
しかし、そのゴールまでの過程で行われる激しい競り合いや高度な駆け引きは人々を深く魅了し、また熱狂させた。
……そこには、各々が投票した魔物の着順に基づく払い戻しがあるという制度の影響もあるが。
◆
そして、そんな『ミスマ・レイシング』にて魔物を操る専門職――乗術士を養成しているのが、レイシング王国乗魔学園である。
『ミスマ・レイシング』で最上位に認定されている『M1クラス』のレースに勝ち、将来のスターとなることを目指す若者が集う場所だ。
そこで、落ちこぼれと呼ばれるライド・ダビスタという少年がいた。
『ミスマ・レイシング』で偉大な実績を残した父親を持ちながら、乗術士としての才能に恵まれなかった彼は、蔑まれるには格好の的だった。
「……なんで、僕はこんなにもダメなんだろう」
今日も水を浴びせられるという辱めを受けて、彼は震える身体を抑えながら寮に続く森を歩いていた。
「ブルルッ!」
そんなときに、ライドの耳に届いたのは小さな嘶き。
それをもとに彼が向かった先にいたのは、一頭の栗毛の牡馬だった。
――その出会いから、ライドの運命は一変する。
無敗の三冠馬とともに挑む、異世界競走ストーリー!
※毎週(火)(金)1話〜2話更新。