あらすじ
剣道好きの少年、達桐 剣誠(たちきり けんせい)は幼馴染の霧崎 刀哉(きりさき とうや)と約束を交わした。
全国を懸けて、競い合おう。
その約束は剣司にとって『夢』となり、日々稽古に励んだ。
やがて二人は中学最後の大会で対戦するが、試合中の事故で剣誠が刀哉の腕を折ってしまう。
この事故が剣誠のトラウマとなり、彼は誰かに竹刀を構えることができなくなってしまった……。
だが、その試合を、悲劇の一部始終を、
憐れんだ瞳で見ている少女がいた。
絶望を抱えたまま高校に進学した剣誠。剣道部だけは入るまいと決めていたが、
そこで刀哉と再会することとなる。
彼に引っ張られてあれだけ忌避していた剣道部に足を運んでしまう剣誠だったが、
剣道場で上級生を圧倒する、凄まじい強さの少女と出会う。
少女の名は、八咲 沙耶(やつざき さや)。刀哉とは中学からの知り合いらしい。
「これは恥ずかしいところを見せてしまった。刀哉と知り合いらしいな。そのデカブツが迷惑をかけていないか?」
「現在進行形で掛けられています……」
「それもそうだな」
硝子のように美しく、穢れがない笑顔。
しかし、どこか儚さと脆さを感じさせる──八咲 沙耶は、そんな少女だった。
剣誠と、刀哉と、沙耶。
二人の剣士が約束を交わしたことで始まった物語は、一人の少女を交えて加速していく。
僕よ、剣になれ。
彼女という鞘に還るために。
人間の感情を瑞々しいままに描き、
動きある描写を実体験からより鮮明に書き連ねる。
これは、あなたの魂を切り裂く物語。