あらすじ
百合系乙女ゲーム『魔王姫は全ヒロインを葬り去る』の世界に転生した十八歳のミチコ・クロサキは、史上最悪の悪役令嬢として恐れられていた。
本来の彼女は魔王ゼノン・クロサキの娘であり、ゲーム序盤では立ちはだかるヒロインたちをその脚で次々と葬り、最終的には聖女ヒカリ・ヒナミに討たれる運命を辿る存在にすぎない。
だが、ゲームの結末を知ったミチコは「死」を回避するため王都から逃亡し、辺境で心優しい青年貴族ジン・ワタナベと出会う。彼の温かさに触れ、やがて彼女の前世――二十一歳の看護師・ミア・タチバナとしての記憶が蘇り始める。
「もう誰も傷つけたくない。私は人を救う人生を選ぶ」
ミチコは治療院を開き、人々を癒やす道を歩み出す。しかし、魔王ゼノンは失踪した娘を捜索するため、オディナ全土に配下を放ち、彼女を再び“悪”へ引き戻そうとする。
過去の因縁、世界の偏見、そして迫り来る魔王軍――すべてと戦いながら、ミチコは運命を変えるために立ち向かう。
時に優しく、必要な場面では再び〈悪役令嬢の殺し技〉を振るいながら。
これは、悪に生まれ落ちた少女が愛と赦しを知り、自らの手で未来を書き換える物語である。