あらすじ

私の母はね、狐なのです。  嘘ですって?  まあ、私の母を嘘つき呼ばわりですか。私は信じていますよ。  人に化けて人と結婚して人の子を産んで。お産の時に、決して見てはなりませんとそう言っておいて、見たところが今生の別れ。  そういう流れのはずだったのに、父は言いつけどおり見なかったそうです。わざと苦しげな声で難産を演じていたのに見ようともしない、冷たい人だと母は怒っていましたわ。  それが私が生まれた時の話です。信じるかどうかは貴方次第。人に化けて、人として生き、人として死ねば、それは人ではないかしら。私はそう思いますけれど。  さてはて、貴方は、どう思われます?

連載情報

ウェブ小説

配信言語
エブリスタ
エブリスタ2018/07/25
  • 現在の作品化して生くる者の戻らざるや如何に〈明治妖狐譚〉