あらすじ
私の母はね、狐なのです。
嘘ですって?
まあ、私の母を嘘つき呼ばわりですか。私は信じていますよ。
人に化けて人と結婚して人の子を産んで。お産の時に、決して見てはなりませんとそう言っておいて、見たところが今生の別れ。
そういう流れのはずだったのに、父は言いつけどおり見なかったそうです。わざと苦しげな声で難産を演じていたのに見ようともしない、冷たい人だと母は怒っていましたわ。
それが私が生まれた時の話です。信じるかどうかは貴方次第。人に化けて、人として生き、人として死ねば、それは人ではないかしら。私はそう思いますけれど。
さてはて、貴方は、どう思われます?