あらすじ

主人公:さくら 名は柔らかいが、立っているだけで空気が変わる。 長身。 並の男が見上げる背丈。 細いのに、刀を握れば音が変わる。 “女は戦場には立たぬ”と決めつけられた世に生まれ、 それを壊すために歩き出した者。 剣術はただ強いのではなく、理屈をも越える瞬発の正確さがある。 刀の重さを忘れたような振り抜き。 骨格だけでは説明できない力の使い方。 だが── どれほど甲冑を着ても、 どれほど声を低く落としても、 消えないものがあった。 若い女の体が持つ、桃の皮を指で擦った時のような甘い匂い。 さくら自身は意識しない。 むしろ邪魔だ、とさえ思っている。 だが、人の鼻は抗えない。 遠くの者が振り返る。 密やかな部屋では、武士たちが妙にそわつき、 それを“空気の変調”と誤解する。 ――その匂いは、女であることの証明であり、 彼女がどれほど否定しようとも、 **この世界に刻まれたさくらの性(さが)**だった。 その矛盾こそが、彼女の傷であり、原動力でもある。 男と渡り合うために、 “女であることの痕跡”を憎みながら―― それでも誰よりも誇り高く、前へ出る。

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小説を読もう2025/12/09
  • 現在の作品『戦国鬼娘』──女であることを隠せぬ剣豪さくら──桃の匂いを撒き散らす鬼娘は、士道ひとつを頼りに斬っていたら、いつの間にか戦国最強の「男より強い女」と呼ばれていた