あらすじ
駅前商店街のはずれにぽつんと建つ、ちょっと傾いたプレハブ小屋。
看板には「市役所臨時相談窓口」と書いてあるけれど、実態は暇を持て余した非常勤職員・春川悠人の居場所……のはずだった。
そこへ転がり込んできたのは、
大手チェーンに客を取られつつあるパン屋、
シャープペンだらけの在庫に頭を抱える文房具店、
「フリーターほぼ無職」から抜け出せない若者。
「パンが売れない」「文房具が売れない」「仕事が見つからない」。
三者三様の“どうにもならない悩み”を前に、春川が思いついたのは――
みんなで勝手に長所を掘り出し合う、『駅前なんでも人生会議』だった。
パン屋の“懐かしさ”は受験生の夜食に、
文房具店主の“うざいほどの知識”は本気の勉強アドバイスに、
人の話をよく聞くフリーターの“優しさ”は相談窓口の仕事に。
少し視点を変えれば、欠点は武器になり、
「何もない」と思っていた自分にも、誰かの役に立つ居場所ができていく。
派手な成功も、奇跡の逆転劇もない。
それでもパンを焼き、ノートを並べ、今日の店を開ける人たちがいる。
不器用で、情けなくて、笑えて、ちょっと誇らしい――
小さな商店街を舞台にした、人間賛歌コメディ。