あらすじ
深夜のコンビニ。
激務に疲れたOL・ミナトの唯一の楽しみは帰宅の際に購入する、自分へのご褒美である『贅沢なめらかカスタードぷりん』だった。
ところが、ぷりんを手にコンビニを出た瞬間――突然、ミナトは見知らぬ森の中に立っていた。
辺りのコンビニやマンションは消え、街灯の代わりに発光する巨大なキノコがある。
混乱するミナト。
そこに現れたのは、ホウキに乗った美しい魔女、エルデ。
彼女は数百年もの間、たった一人でこの異世界を生きる存在だった。
ミナトは元の世界へ帰りたいと願うが、エルデは『帰還の扉』が開く唯一の方法を隠し、嘘をつく。
そんな中、ミナトが持っていたコンビニの「ぷりん」が、数百年の孤独に慣れきった魔女の舌と心を直撃する。
「お願い、これをなんとか作れないかな!?」
元の世界への手がかりを探すミナトと、至高の甘さを求める魔女。
二人の奇妙な共同生活が始まり、異世界の素材と魔法を駆使した、前代未聞の「ぷりん作り」に没頭する。
失敗のたびに笑い合い、反発しあいながら、ミナトの心は癒され、エルデの心には初めての……「愛」が芽生える。
しかし、ミナトを心から愛することは、彼女をこの世界に永遠に閉じ込めてはいけないという、魔女の「別れ」の決意を意味していた。
最高のぷりんが完成したとき、二人の想いが交錯し『帰還の扉』が開く。
「私は、帰りたくない!」
「貴女は……帰るの」
ミナトの留まりたいという願い、エルデの「愛してる」という悲痛な叫び。
引き裂かれた二人の運命は、ミナトが握りしめた一つの「ぷりん容器」によって、再び動き出す。
二人で作る最高のぷりんは、永遠に停滞した世界に、どんな変化をもたらすのか――?
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約8300文字。
※『カクヨム』でも掲載しています。内容は同じで、あっちは4話完結。
※元々、長編として作っていたものを1万字以内の短編にしたものです。