あらすじ

余命三カ月の宣告を受けた首相・智朗は、人生の終末を静かに迎える覚悟でいた。そんな彼の前に、二つに分かれた尻尾を持つ化け猫・ネコマタが現れ、智朗を喰らうために首相官邸に居つくようになる。しかし、ネコマタは、智朗が戦災孤児の少女・ナタリアを我が子のように慈しむ姿を見て、次第に情が湧いていく。 ネコマタと智朗の間には不思議な絆が生まれ、ネコマタは智朗の孤独な話し相手となり、智朗は再び生きる希望を抱き始める。しかし、ある日、ネコマタはテロリストによる官邸襲撃計画を察知し、智朗が殺される運命にあることを知る。智朗は、ナタリアを親友に託し、ネコマタと共に最後の戦いに挑むことを決意する。 テロリストたちを迎え撃った智朗は、居合の技で応戦するも、多勢に無勢で命を落とす。激昂したネコマタは本来の姿を現し、テロリストを殲滅するが、自身もまた銃弾を受けて息絶える。 事件後、現場検証に当たった警察官たちは、不可解な状況に首を傾げる。そして、発見された智朗の日記には、ネコマタやナタリアとの穏やかな日々が綴られていた。遠く離れた地でその日記を読んだナタリアは、愛されていたことを知り、強く生きていくことを誓う。これは、命の終わりを目前にした男と、化け猫、そして一人の少女が織りなす、切なくも温かい、終わりの始まりの物語である。

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カクヨム
カクヨム2025/12/08
  • 現在の作品化け猫と首相の最後の夜