あらすじ
2025年初冬、ウクライナ戦役が膠着状態の中、北京から再来年の台湾侵攻に向けて北朝鮮とロシアによる陽動作戦を発動したいとの申し入れがあった。露烏紛争に大量の武器支援を中国から受けているプーチンはそれを拒否できなかった。ロシア連邦東部軍管区総司令官ジトコ大将はモスクワからこの陽動作戦の指示を受けて作戦準備を始めた。
彼は北京からの要請をバカバカしいことだと思っていた。
ただでさえ多数の若き東ロシアの兵士を露烏紛争に送り込み多大な死傷者を出しているのだ。それもモスクワ中心の西部ロシアの兵士は温存して、中央・シベリアの兵士が死んでいる。ここでさらに日本への陽動の侵攻作戦など北京を利するだけで東部ロシアの利益にはまったくならない。
逆に、シベリアの土地を買い漁りロシアの東半分を我が物にしようとする中国の思うツボである。ジトコ大将は憤懣やる方なかった。いつまでも、東ロシアがモスクワの言いなりになると思うなよとジトコは思った。しかし、中央の司令には逆らえなかった……今のところは……。
2026年初夏、ロシア連邦東部軍管区(旧極東軍管区)は突如北海道北部と佐渡ヶ島に侵攻。総責任者は東部軍管区ジトコ大将だった。北海道はダミーで狙いは佐渡ヶ島のガメラレーダーであった。これは中国の南西諸島侵攻と台湾侵攻を援助するための密約のためだった。同時に北朝鮮は38度線を越え、ソウルを占拠した。在韓米軍に対しては戦術核の電磁パルス攻撃で米軍を朝鮮半島から駆逐、日本に退避させた。
その中、欧州ロシアに対して、東部軍管区ジトコ大将はロシア連邦からの離脱を決断、中央軍管区と図ってオビ川以東の領土を東ロシア共和国として独立を宣言、日本との相互安保条約を結んだ。
佐渡ヶ島侵攻(通称サドガシマ作戦、Operation Sadogashima)の副指揮官はジトコ大将の娘エレーナ少佐だ。エレーナ少佐率いる東ロシア共和国軍女性部隊二千人は、北朝鮮のホバークラフトによる上陸作戦を陸自水陸機動団と阻止する。