あらすじ
もうこの世にはいない妹に届いた年賀状は、今年で三通を数えた。
住所も消印も記されてない葉書には、ただ、「はるな」という差出人の名前。そして、見事な干支の手描きイラスト。
妹の死を知らない誰かか……?
当初好花(よしか)は、自身が知る限りの、妹の友人知人に問い尋ねた。だが、手がかりはまったく得られず今にいたっており―――。
その賀状のせいで、今年も年始から気分を曇らせた好花だったが、月一の産科検診に訪れた総合病院で、思いがけず「はるな」の手がかりを得る。
はたして不審な賀状の送り主は、好花も知る“彼女”なのか……。
悪意からとは思えなかった。しかし、年頭からつらい過去を思い出させられるのはたまらない。それは母も同じはず。
憤りを胸に秘めていた好花は、この非常識な行いをやめるよう通告するため、彼女と対峙する意思を固めたのだった。
が―――。