あらすじ
気がつくと、そこは乙女ゲーム『光翼の聖女と六つの運命』の世界だった。
転生先は、貧乏男爵家の一人息子・クロウ。
魔力量・最低ランク、コネなし、才能なし。
どこからどう見ても「物語に必要のないモブ」だった。
それでも彼は知っている。
断罪イベントの舞台、死亡フラグの位置、隠しアイテム
そして――悪役令嬢アナスタシア・エヴァロストが、どのルートでも“必ず”処刑されることを。
聖女と勇者たちが「世界に選ばれた存在」なら、
悪役令嬢は、物語の都合で切り捨てられる舞台装置にすぎない。
だが、クロウにとっては違った。
「世界がどうなろうが知るか。
――あいつを殺すって言うなら、俺が先に攫っていくだけだ」
モブの少年は、勇者の聖剣に拒絶され、
代わりに“選ばれなかった者だけが扱える鞘”を手にする。
それは、世界のフラグ管理に噛みつくための、ささやかで、どうしようもなく歪んだ武器。
物語は「断罪の日」から始まり、
そこへ至る七年間の準備と、
一人の悪役令嬢をルートごと奪いに行くまでを描く――
モブ×悪役令嬢。
「ラベル」と「運命」に中指を立てる、逃避行ラブストーリー。