あらすじ
時空を超越して夢の世界を見守る祖霊である虹色の大蛇は、深海の底で、生きる気力を失いタカアシガニの姿となってうずくまる人間の魂を見つける。虹色の大蛇はその絶望に寄り添い、せめて安らかな眠りを与えようと、現実世界のオーストラリアで先住民の青年の肉体に宿り、カニの抜け殻を拾わせる。
しかし、伝統楽器ディジュリドゥの奏者兼職人である青年は、抜け殻を埋葬するどころか「いい音が鳴りそうだ」という狂気的なインスピレーションを抱く。彼はタカアシガニをディジュリドゥ(タカアシガニリドゥ)へと改造し始めてしまう。
虹色の大蛇はそれを死者への冒涜だと感じて妨害を試みるが、青年の創作意欲と、固定観念に囚われない人間の可能性に触れ、次第にその行いを見守るようになる。