あらすじ

幼少期から絵の才能を認められ、確かな実績を重ねてきた鬼才・倉沼李久。
彼は、純粋芸術を愛する両親の反対を押し切り、漫画家になるために専門学校へと入学を果たす。
しかし、そこで待っていたのは彼の実力を褒め称え、ちやほやされるだけの楽園ではなかった。
絵だけで生きてきた李久にとって、物語を考えなくてはいけない漫画は一筋縄ではいかなかった。先生や同級生から受ける人生初の指摘。それに対し、自分の描く漫画を深く理解できていないからそんな指摘が出来るだと感じた李久は、逃げるように学校を中退した。
三年後、働きもせず延々と独りで漫画を描き続けていた彼が、出会ったのはホームレスのおっさん。
「君は漫画が、絵が、大好きなんだろう?」
もう絵なんてこりごりだ。そんなことを言う李久に対し、ホームレスのおっさん・義崎大倭はそんな言葉を贈る。
「絵が好きじゃなきゃ、こんなの描けるわけがない。お前さんのことをよく知らないが、それだけはわかるさ」
わかる。たったそれだけの言葉に感動した李久は、それまで誰にも理解されないと思っていた気持ちが覆されていくのを感じた。さらに、義崎は自らを元編集者だと名乗り、一緒に漫画を描いてみないかという提案をする。
李久はその提案をすぐには受け入れなかった。しかし義崎は続けて「君の描きたい漫画に合わせて物語をつくるよ」と食い下がる。
「おじさんが……物語を書いて、俺が絵を描く……」
義崎の言葉に心動かされた李久は、二人で一緒に漫画を描くことを了承したのだった。
まずは目標、新人賞入選。
果たして、稀代の天才とホームレスの二人は、漫画家としてやっていけるのだろうか。

そして漫画家活動始動に向けて、義崎の本当の思惑が見え隠れしだす。
波乱の漫画家生活が幕を開けようとした――――。

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アルファポリス
アルファポリス2025/12/07
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