あらすじ
伯爵家の一人息子アスティオン・エッジロード(六歳)は転生者だ。
ある日母に“詠唱魔法”を馬鹿にされ、日本人だった頃の記憶と厨二病全開の詠唱で放つ技に強い憧れを抱いていた事を思い出す。
だが転生先の世界では“無詠唱魔法”が主流で、ダサく隙の大きい“詠唱魔法”は戦闘に使えず時代遅れ扱いされていた。
――どう考えても詠唱した方がカッコいいだろ!
何が何でもこの世界で詠唱魔法を使いたかった俺は、ふと名案を閃く。
「そうだっ! いっその事――詠唱を邪魔されても平気なくらい強くなればいいじゃん!!!!」
そう、すなわち筋肉だ!
その日から俺は自分を九年鍛え抜き――気付けばドラゴンを生身で倒し、大魔法使いの一撃さえ難なく防げる無敵の肉体を手に入れてしまっていた。
それから詠唱魔法を布教するべく学院に入学するも、無詠唱主義の男に案の定目をつけられる俺。だが鍛え上げた肉体で相手の魔法を弾き、いなし、防ぐだけで驚愕される。
「風の無詠唱魔法かッ……邪道と言いながら小賢しい真似を!」
いや筋肉です。
それで男を倒したら来るわ来るわ。トラブルを持ち込んでくる奴等が。
それでも俺は、カッコよく詠唱魔法を使いたいだけだ。