あらすじ
吹雪の夜、第二騎士団の館に迷い込んだ巨大なサイベリアンの野良猫。
怪我を治してくれた団長イーゴリにだけ懐き、
その豪胆さと威厳から「皇帝(ツァーリ)」と名付けられる。
ツァーリはただの猫ではない。
鋭い観察眼、気まぐれな権力、そして絶対的な存在感。
兵も書記官も、気ままにソファーを占領する彼に頭が上がらない。
しかしツァーリが見つめているのは――
優しい白い乙女ヴェーラの笑顔、
不器用な団長イーゴリの孤独、
ワンコ気質のオレグの嫉妬、
冷静参謀ケンジの本音……。
「人間とは実に面白い生き物である」
彼らの恋も喧嘩も、涙も笑いも、
すべてツァーリの目には丸見え。
今日も皇帝は、館の玉座(=ソファー)で眠りながら思う。
「吾輩は猫である。
この騎士団を、誰より知っている猫である。」