あらすじ

王宮医官見習いの少女リサは、 植物や動物、そして人の“身体の声”まで感じ取る稀有な力を持っていた。 兄サクヤはその力を誰より知っており、医官不足の王宮へ どうしてもリサを連れて行くべきだと考えていた。 兄は近く父の跡を継ぐ宮廷医官となる身であり、 王子の持病を救えるのは妹だけだと信じていたからだ。 一方、元宮廷最高官職で開業医の父は激しく反対する。 「女が医官として働く必要はない。幸せは良縁にある」 大切に育てた娘が王宮で働き、殿下に見初められて遠い存在になる未来を恐れたのだ。 それでもリサは兄に導かれ王宮へ上がる。 初診の場で倒れ、呼吸が止まりかけていた王子の“かすかな声”── 「まだ、生きたい」という微かな鼓動を聞き取り、 ただ手を握り寄り添うことで彼の息を引き戻してしまう。 治療は奇跡となり王宮を揺らすが、 寄り添うほどにリサは気づく。 この王子は亡き第一王子の影武者であり、 救った命は王家最大の秘密の上に成り立っているということに。 癒しの声で命を繋ぐ少女。 嘘の名で生かされた王子。 押し出した兄と、手放せない父。 記録に残せない恋と治癒の物語は、 王宮医官見習いの診療日誌から始まる。

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カクヨム
カクヨム2025/12/06
  • 現在の作品王宮医療記 ─見習い医官リサの手帳─