あらすじ
いつからだろう。
世界から“晴れた日”の記憶が消えはじめたのは。
雨の放課後、公園のベンチで出会った謎めいた少女。
翌日、突然いなくなったクラスメイト。
誰も使っていないはずの教室から聞こえた足音。
貸出カードに押された奇妙な印。
夜中に届く「かえして」のメッセージ。
そして、机の奥に置かれた“白紙の日記帳”。
それらはすべて、ひとつの記憶へつながっていた。
――主人公が、雨の日の公園で拾った「先輩の大切なもの」。
忘れたはずの出来事。
書いたはずなのに読めない日記。
矛盾し続ける日常。
雨が真実を隠し、
日記が事実を書き換え、
記憶が主人公を守ろうとする――優しくて残酷なミステリー。
すべての伏線は、最後の一行で一つになる。
雨の匂いが変わったとき、物語は静かに反転する。
“返すべきもの”とは何だったのか。
そして、主人公はなぜその記憶を封じたのか。