あらすじ

「やれやれ、異世界でも僕は、パスタを茹でて暮らしたいだけなんだ」  その日、僕は商店街で木綿豆腐を買った直後にトラックに撥ねられた。  目が覚めると、白い部屋に事務的な女神がいて、「剣と魔法の世界で魔王を倒せ」と言う。  僕は断った。  チート能力も、伝説の剣もいらない。  僕が要求したのは、履き慣れたスニーカーと、自分という人間の記憶だけだ。  たどり着いたのは、世界の果てにある古びた灯台。  僕はそこで、静かな隠居生活を送るつもりだった。  手には、路地裏で拾った1978年製の「ルイビル・スラッガー(野球バット)」。  敵が来れば、完璧なフォームで場外へ打ち返す。腹が減れば、手製の燻製器でチーズを燻す。  それだけで十分だった。......はずなんだ。  けれど、世界は僕を放っておいてはくれない。  顔のない少女、菜食主義のオーク、アップデートを拒否した妖精、そして全てを見通す青い猫。  気づけば僕の灯台は、世界のシステムから弾き出された「バグ」たちの避難所になっていた。  さらには、物語から逃げ出した聖女や、承認欲求の塊のような勇者まで転がり込んでくる始末だ。  世界は「物語」を強制しようと迫ってくるけれど、僕たちはそれに抗う。  剣ではなく、完璧にアルデンテに茹で上がったパスタと、熱いコーヒーで。

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カクヨム
カクヨム2025/12/06
  • 現在の作品ハルキ転生 ~世界のハルキ・ムラカミ、異世界にてゴブリンに完璧なスイングをお見舞いしたり、世界の果ての灯台守になるも、やれやれ、孤独にはさせてもらえない件。~