あらすじ
「宇宙というのが一つの人格だとしたら、どんな人だと思う? 厳しかったり、性格が悪かったりするかな?」
「……優しい人だと思う」
「どうしてだい?」
「私たちがこうして、まだ生きているから」
人類の成長が、技術の飽和によって完全に停滞した。
無限に近い質量生成と超光速技術を獲得し、ビッグバンによって生まれた宇宙全域の観測に成功すると、このビッグバン宇宙もまた、なんらかの全体の一部であると分かった。
拡散する宇宙は、なにかを押し退けているのではなく、空間と言えるものに広がっていると、誰もが観測結果として告げた。しかしそこには「全く観測できる数値の存在しない暗黒」があった。
Numerical Blackと名付けられたそれは、空間と定義していいかもわからない、人類の叡智が通用しないどころか、情緒と知恵、または創造の限界のようだった。
全ての技術と宇宙を超えた先でどんな個人性が残るのか。
そんなことを考えるための、思考実験的な作品です。
読み直しがてら、ついでに投稿してみようかと思いました。
好きなように書いているものですが、好きな人がいれば幸いです。