あらすじ
私には“姉がいた”。
なんでもできちゃう人。
勉強も運動も、家のことだって全部上手で、
みんなに頼られて…
私はいつも、
その背中の影に隠れていた。
テストは平凡。
運動も普通。
誇れるものなんて…
「優しいところ」くらい。
でもそれは、
お姉ちゃんが“それでいいよ”って言ってくれたから
初めて自分の長所だと思えた。
私にとってシヅキお姉ちゃんは、
自慢で、
宝物で、世界そのものだった。
……あの日までは。
事故で、
私たちは両親を同時に失った。
いきなり真っ暗になった世界で、
私を引っ張ってくれたのはシヅキだった。
叔母さんの家に引き取られて、
生活には困らなかった。
でも、
高校入学に合わせるように
私たちは“前の家”に戻ることにした。
二人暮らし。
何度も寂しさで泣きそうになったけど、
シヅキがいたから、
私は立っていられた。
だから――
“彼女が消えた日”のことを、
今でも夢に見る。