あらすじ
コンビニでアルバイトをしながら執筆活動に励んでいた江草悠人(えぐさゆうと)のもとに、一本の電話がかかる。
それは悠人が新人賞に応募した出版社からで、悠人の作品を読んだ出版企画部を名乗る人が、「ぜひこの作品を出版して世に出したい」と言ってくれたのだ。
その話を受けて一瞬で舞い上がった悠人だが、出版社から「自費出版」という言葉が出てきて悠人は落胆する。
自費出版とは、作者が費用を負担して本を作るもので、その費用は車一台分を軽く超えるというものだった。
それでも、こんな話は二度とないかもしれないと思った悠人は、出版社の本気度がどれほどのものかを尋ねた。
お金はなんとかするが、ただ出版して終わりにしたくなかった悠人は、出版社が悠人の作品にどれだけの熱意を持っているのか、それを示してほしいと頼み込む。
すると、悠人の思いが伝わったのか、出版社側が費用の一部を負担することと、悠人が希望したカバーイラストと広告に力を入れることを約束してくれたのだ。
その話を受けて、自費出版を決断した悠人。その後すぐに編集作業が始まったのだが、それは想像していたものとは違うもので、悠人はそこでも困惑することになった。
担当編集者は和泉(いずみ)という若い女性で、これが自費出版だからなのか、和泉は悠人の意思を尊重するばかりで、内容に関して自分の意見をほとんど出してくれなかったのだ。
そんな中で、悠人は和泉と直接顔を合わせて、改めて和泉の言葉が欲しいとお願いする。和泉は複雑な心中を吐露したものの、悠人の言葉に真剣に向き合うようになってくれた。
すると、和泉は些細なことでも悠人にきちんと決断させようと、「どっちでもよくない」を連発するようになる。そうして二人三脚で完成した本を、悠人は自信を持って世に出すことができたのだった。
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ジャンル設定が難しいですが、いわゆる「お仕事小説」みたいな感じです。作家としての第一歩を歩む主人公と、それを支える担当編集者の奮闘記です。