あらすじ
神託の儀の日、アレルに告げられた“適性”は──まさかの**〈無才〉**。
どんな術も技も扱えないとされる、歴史に名を残した者が一人もいない不名誉な烙印。
家族も教師も、ひそかに落胆した。
だが当の本人は、肩をすくめて笑っただけだった。
「才能が無いなら、自分で作ればいいだろ?」
そう言い放ったアレルは、誰も見向きもしない裏山でひたすら鍛錬を続けた。
朝は岩を砕き、昼は獣に追われながら走り、夜は倒れ込むまで素振りを重ねる。
常識外れの努力は、やがて常人では説明できない強さへと変わっていく。
そしてある日──
武闘派として名高い〈豪腕〉の戦士が、震える声で叫んだ。
「な、何者だ貴様……! どうして〈無才〉風情が、この私を力で圧倒できる!?」
「え? 毎日限界まで鍛えた結果かな?」
無才と呼ばれた少年の歩みは止まらない。
世界が知らないだけで──彼はすでに“最強”へと踏み出していた。