あらすじ
自信をなくした高校生男子が名探偵志望の先輩(男)と組み、幾多の事件を解決して行く連作ミステリ。
七日市学園は多様な才能の持ち主を求める私立高として知られる。異才が集う場であるが故に、中学まで優秀だと自負していた者の多くが身の程を知り、ショック状態に陥った後に、平凡な一生徒として三年間を全うすることにもなる。一年生の百田充も、その一人。プライドは吹き飛ばされ、今では理想の女子、剣道の達人たる音無亜有香に密かに想いを寄せ、コンピュータ大好き女子の一ノ瀬和葉にうざ絡みされつつ、日々の学園生活をやり過ごしていた。
あるとき、些細な用事で音無の姿を追って、剣道部の部室に入ってみるもそこは無人。竹刀が一本、不自然に出ていた。持ってみるといやに重たい。中に細身の刀が隠されており、血痕らしき染みまであった。そこへ現れた音無に不審者扱いされるが、誤解を解き、刀のことを伝える。すると刀は音無の家の物で、学校に飾ってあったのが行方知れずになっていたという。さらに剣道部のロッカーから教師の遺体が転がり出てきて、否応なしに事件に巻き込まれる羽目に。
音無に容疑が掛けられる一方、相前後して、問題の刀が毎週月曜に発生して世間を騒がしている“辻斬り殺人”の凶器と推定され、事件は混迷を深める。
そんな折、真相究明に乗り出してきたのが、数学とパズルの天才にして、名探偵志望の十文字龍太郎。彼からの指名でワトソン役に収まった百田は、少しずつ自信を取り戻していく。やがて疑いの晴れた音無や一ノ瀬らとも協力し、事件解決に奔走。死んだ教師は被害者でありながら、加害者――辻斬り殺人の犯人だったのではないかという推理に達する。そして次の月曜から、辻斬り殺人はぱたりと止んだ。
続いて起きた、遊園地建設予定地(元)での密室墜死事件や、不可解な連続放火事件を十文字と百田らは解決していく。その過程で、殺人を請け負う組織の存在が浮かび上がった。