あらすじ
憎紙(ぞうし) 憎紙
闇(やみ)に囁(ささや)く嘆(なげ)きよ
いついつ裁(さば)かる
夜(よ)の明けぬ刻(とき)に
罪(つみ)の石(いし)ら 積(つ)み重(かさ)なり
汝(なんじ)の罪を 裁(さば)きましょ
御伽憎紙(おとぎぞうし)
百鬼夜香(ひゃっきやこう)……
◆
「……おや、これは珍しい。閲覧希望のお客様ですか?
ふふ。ようこそ、当館へ」
ここは、行き場のない『憎しみ』が集まる場所。
誰にも言えない怨み、晴らせぬ無念……。
それらを紙に記し、ここへ送れば――私が全て、一本の黒いタバコ(紫煙)に変えて吸い尽くして差し上げましょう。
代償? いえいえ、結構。
私はただ、紫煙の向こうで罪人が『裁かれる様』を、この古いテレビで眺めるのが趣味なだけですから。
さあ、座ってください。
今宵の『憎紙(ぞうし)』が届いたようです。
当店の裁きは、少し特殊でしてね。
『死』は救済になり得ますから……私は罪人に、死ぬことすら『禁止』するのです。
視覚、聴覚、そして命。
全てを奪われた人間がどうなるか……興味はおありでしょう?
――御伽憎紙、百鬼夜香。開演です。
ご注意
当店は不定期開店です。怨みの香りが満ちた夜にだけ、ひっそりと扉が開きます