あらすじ

残業帰りの深夜、 僕はマンションのエレベーター前で、 貼り紙に書かれた“ひとつの名前”を 読んでしまった。 『“さきえさん”が乗ってきます』 ただそれだけの文。 なのに胸の奥が、ありえないほど冷えた。 エレベーターは僕の指示を 無視して地下へ沈みつづけ、 存在しないはずの階──B13──で止まる。 扉の向こうにいたのは、 息を潜めて“待っていた”女。 首の角度は、人が立つためのそれではない。 そして、僕にだけ聞こえる声で囁いた。 「ねぇ……あなた、 私の名前、読んだよね?」 深夜のエレベーターは、 “名を呼んだ者”を迎えにくる。 呼んだ瞬間、もう引き返せない。

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カクヨム
カクヨム2025/12/05
  • 現在の作品B13で待つ“さきえさん”