あらすじ
西暦2027年、人類は科学史における最大のブレイクスルーを達成した。それは、「クロノシステム、通称時間管理システム」の発明だ。
このシステムは、マイクロチップを通じて人間の細胞(特にテロメアとミトコンドリア)に電気信号を送り、細胞を活性化・再生させることで、老化を停止させるどころか、時間を巻き戻し若返りをも可能にする画期的な技術である。これにより、人類は条件付きで寿命を克服した。更に、子どもをすぐに大人にし、高齢者を若返らせることで生殖適齢期の人口を増やすことで、深刻化していた少子高齢化問題も、見かけ上は解決へと向かい始めたかに見えた。
しかし、その究極の若返り技術には恐ろしい「代償」が必要だった。細胞を活性化・若返らせるエネルギー源として、「他者の寿命(時間資産)」を必要とした。システムを導入した欧州、米国、共産主義国、日本などの先進国は、この技術を「楽園制度」として合法化。
この世界では、個人の寿命はすべて「BMI-ID(バイオ・メトリック ID)」チップによって管理されている。